大手請負師と請負師

ところで上で少し紹介した「大手請負師」の「請負師」ですが、この言葉は一体どういう意味なのでしょうか。

請負という言葉を分解してみると、「請」は何か作業を依頼することで、「負」はそれを負うこと、すなわちその作業の完成を約束するとなります。

それ故この請負師という言葉は、主に建設工事を引き受けてその完成を約束する人達、ということで現在で言う建設会社の意味で使われるようになりました。

そしてこのような建設に関する、言わば「契約」を結んで実際の建設工事を行う業者を請負人、或いは請負師と呼ぶようになりました。

またこれらの請負人や請負師は「組」を組織し、それがいつしか建設に携わる集団、チームの名称となり、建設会社の名前に「組」が使われるようになっていきました。

そうした建設の仕事集団の棟梁や頭は「社長」となり、集団の屋号としては社長の名字を社名に冠し杉井組、高島組などと名乗るようになっていきました。

建設会社を表す名称で、今は請負師といった名称は殆ど見られませんし、組といった名称も現在は昔より減っています。

ですがこれらの表現は、実は第二次大戦後までは多く用いられ、一般的だったと言われています。

それが上で紹介した笑い話のケースもあって、現在が「建設会社」という名称が増えているのです。

またついでに言えば、建設工事に携わる会社の社名として、「建設会社」という名称が定着したのも、第二次世界大戦後に占領軍が占領政策に掲げた例の財閥解体もそれに関係しています。

中には新しい社名を決定する際、英和辞典でconstructionの項を引き、その訳語から「建設」という文字を取り、「○○建設」と名乗り始めた建設会社もあります。

この名称変更についてその後多くがこれに倣って後に続き、嘗ての請負人や請負師は建設会社と呼ばれるようになっていきました。